外壁塗装の保証制度を徹底解説!種類・期間・トラブル防止のポイント
投稿日:2023.9.1更新日:2025.11.17
外壁塗装工事を検討する時「保証はあるか?」という質問をする方は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ見積もりや契約書を見ても、保証の内容や期間が分かりづらい と感じることも少なくありません。
外壁塗装の保証は施工後に万が一トラブルが起きた際の「安心材料」ですが、その仕組みを理解せずに契約してしまうと、思っていた保証が受けられない というケースも起こり得ます。
この記事では、
- 外壁塗装における保証の種類(自社保証・メーカー保証・瑕疵保険)
- 保証期間の目安
- 保証が適用されるケース・されないケース
- 契約時に確認すべきポイント
などを解説します。
保証の正しい知識を持つことで、施工後のトラブルや後悔を未然に防ぎましょう。
外壁塗装の保証とは?どんなとき必要?
外壁塗装の保証とは、施工後に不具合や劣化などが発生した場合に無償で補修してもらえる制度 のことです。
工事完了後に「すぐに塗膜が剥がれてきた」「塗りムラがある」などのトラブルがあった場合でも、保証があれば業者が責任をもって対応してくれます。
また、紫外線や雨風などの自然環境の影響を大きく受けやすいため、想定外の劣化が起きた場合にも保証が役立ちます。
特に、次のようなケースで保証が役立ちます。
- ・短期間で塗膜が浮く・剥がれる
- ・雨染みやひび割れが再発した
- ・下地処理不足による不具合
このように保証は「いざという時の安心保険」として重要な役割を果たします。
屋根工事や塗装工事に適用される保証の種類

屋根・外壁塗装工事で適用できる可能性がある保証には3種類あります。
全ての保証を受けられるとは限らないので、工事の施工業者に依頼するときには詳細を確認することが必要です。
一般的には以下のうち1つ以上の保証を受けられます。
・自社保証
・塗料メーカーの保証
・リフォーム瑕疵保険
ここでは3種類の保証について詳細を解説します。
保証内容はそれぞれ異なるので、メリットや注意点を詳しく理解して活用できるようになりましょう。
①塗装業者による自社保証
屋根外壁塗装工事の自社保証は施工業者が独自に提供している保証です。
自社保証は施工保証になっていて、施工不良があった場合に保証を受けられます。
「独自保証」や「オリジナル保証」とも言われています。
後述するメーカー保証とは異なり、使用した塗料などに不具合がなかったとしても適用できるのが特徴です。
施工ミスによる塗料の剥がれや屋根瓦の脱落などに対して適用できます。
自社保証は施工業者が自社で定めているため、内容は業者によって様々です。
保証範囲や保証期間も特にルールがあるわけではないので詳細を確認する必要があります。
また、自社保証は施工業者が倒産してしまうと受けられない点に注意しなければなりません。
自社保証によって安心を得るには安定経営をしている業者を選ぶことが重要です。
②塗料メーカーによる保証
外壁塗装工事の場合には塗料メーカーの保証を受けられる場合があります。
塗料メーカーの保証は製品保証で、製品の品質に問題があったためにトラブルが発生した場合に適用されるのが一般的です。
メーカー保証はメーカーが独自に提供している保証なので、全ての製品が保証対象になっているわけではありません。
保証をしているメーカーの塗料を使用したときにだけ、メーカーが定める内容の保証を受けられます。
保証期間は塗料製品により1年~10年と幅があります。
ただしひび割れなど経年劣化によるものの場合、保証の対象とならない可能性がありますのでご注意ください。
③リフォーム瑕疵(かし)保険
リフォーム瑕疵保険は有料ですが、施工業者・施主様以外の第三者が施工中や施工後に検査をします。
初心者ではわかりにくい工事の仕上がりをプロの検査員がチェックするので安心です。
住宅瑕疵担保責任保険法人として認められている以下のような保証会社の保険に施工会社が加入していると保証を受けられます。
・住宅保証機構株式会社
- ・株式会社日本住宅保証検査機構
・株式会社住宅あんしん保証
・ハウスプラス住宅保証株式会社
- ・株式会社ハウスジーメン
リフォーム瑕疵保険は第三者機関による保証なので、保証期間内に対象となるトラブルが発生したときには、自社保証もメーカー保証もなかったとしても保険金を受け取れます。
ただし、保険金は修理費用等の全額ではなく、以下のように計算されるので注意が必要です。
保険金支払額=(修補費用等-10万円)×80%
リフォーム瑕疵保険は第三者による検査を受けられるので施工品質が一定水準以上だったかどうかを施工完了の時点で判断できることがメリットです。
ただし、途中で検査が入って工期が延長される場合もある点には注意しましょう。
保証期間の目安の塗料ごとの違い

外壁塗装の保証期間は、使用する塗料の耐久性 によって変わります。
一般的には、耐久年数が長い塗料ほど保証年数も長くなる傾向があります。
ただし、保証期間は業者ごとに独自に設定するため、必ずしも一律ではありません。
以下は、あくまで「相場として多い目安」です。
塗料ごとの保証期間の目安
| 塗料の種類 | 耐久年数の目安 | 保証期間の相場 |
|---|---|---|
| シリコン | 10〜15年 | 3〜5年 |
| ラジカル制御塗料 | 12〜15年 | 4〜6年 |
| フッ素 | 15〜20年 | 5〜7年 |
| 無機塗料 | 18〜25年 | 7〜10年 |
ポイントは「耐久年数より保証期間のほうが短い」という点です。
たとえば耐久20年のフッ素塗料でも、保証は5〜7年ほどに設定されるケースが一般的です。
業者により保証期間が変わる理由
主に以下の要素が保証期間の変動に影響します。
- 下地の状態
- 施工方法(3回塗り、下塗り材の種類など)
- アフターフォロー体制
- メーカー保証の有無
例えば下地の状態は、劣化が進んでいた場合は保証期間が短くなる傾向にあります。
施工方法も、3回塗りか2回塗りか、下塗り材の種類は何か、などで保証年数が変動します。

見積もり時には保証内容や年数が明記されているか必ず確認することが大切です。
工事の保証対象になる症状

外壁塗装工事で保証対象になる症状は限られています。
施工後に起きたあらゆるトラブルが保証対象になるわけではないので気を付けましょう。
ここでは屋根外壁塗装工事、屋根工事、リフォーム瑕疵保険を適用したケースに分けて実情を解説します。
塗装工事の保証対象
外壁塗装工事の場合、以下のような症状が保証対象にされているのが一般的です。
・塗膜の剥がれ
・ひび割れ(クラック)
- ・チョーキング現象
①塗膜の剥がれ
塗膜は平均して10年ほどの寿命ですが、短期間で剥がれてしまった場合は業者による施工不良の可能性があります。
施工保証の対象になることが多く、自社保証やリフォーム瑕疵保険でカバーできます。
しかし自社保証の場合施工不良であることを証明するのはとても難しいため、「具体的にどう言った症状だったら対応してもらえるのか」保証内容をはっきりとさせておくといいでしょう。
②ひび割れ(クラック)
ひび割れに対し、塗料メーカーが保証するのは塗料の希釈率・塗布量・塗装回数などが不適切であった場合です。
塗装をしてから1年も経っていないにも関わらず、ひび割れができているのを見つけた場合、施工業者の瑕疵と言えます。
ただし時間が経っていると経年劣化と判断され、その場合は保証が適用されないので注意しましょう。
③チョーキング現象
チョーキング現象とは、外壁を触ると手に粉がつく現象です。
この粉は塗料に含まれている顔料が、外壁の表面に出てきたものです。
通常は表層樹脂が紫外線や雨風によって劣化しすることで発生する現象ですが、塗装工事が不適切だった場合、塗膜の劣化が早く進みチョーキング現象が起こることがあります。
「不適切な塗装工事」とは、以下のようなものが考えられます。
- ・高圧洗浄や塗装後の乾燥時間が不十分だった
- ・天候が悪いにも関わらず塗装をした
- ・下地処理の方法が不適切だった
- ・しっかり下塗りがされていなかった
- ・立地環境に適さない塗料を使用した
- ・塗料がきちんと混ぜられていなかった、薄かった
塗装工事後間もないうちにチョーキング現象が確認されたら、業者に連絡をしましょう。
保証の対象にならないトラブル
工事完了後に起こったトラブルが、以下の内容にあてはまる場合はほぼ保証の対象外となると思っていいでしょう。
- ・火災、落雷、爆発などの外的要因
- ・地震、洪水、噴火、台風、暴風、竜巻、豪雨、津波、地盤沈下などの自然災害
- ・戦争、内乱、暴動、労働争議、騒擾など・工事請負業者以外による作業が原因
- ・保証対象部以外の損傷
- ・家の所有者が不適切な使用方法をした場合
- ・施主の指示が原因となった場合
- ・建物の構造上による欠陥
- ・害虫や害虫が原因
なお、外壁塗装は火災保険が適用される場合もあります。
詳しくはこちらの「外壁塗装は火災保険を使用できるか|条件や申請の流れを徹底解説」をご覧ください。
契約前に確認すべき保証のチェックポイント
外壁塗装の保証は事前に確認しておくことで、「聞いていた話と違う」「不備があるのに保証が使えなかった!」というトラブルを防げます。
次の保証のポイントをしっかり押さえておきましょう。
① 保証書は書面で発行されるか
保証は書面で発行されることが基本です。
口頭説明だけの保証は、後になって「それは保証対象外です」と言われてしまったり、トラブルになるケースが多いため注意しましょう。
② 保証の対象範囲
保証がどこまで保証してくれるかを必ず明確にしておきましょう。
基本的に保証されるのは以下のような施工不良による不具合に限られます。
- 塗膜剥がれ
- ひび割れ
- 変色・退色
不具合の原因が経年劣化や自然災害の場合は基本的に保証対象外となるケースがほとんどです。
何が対象で、何が対象外か を必ず確認してください。
③ 保証期間の長さと妥当性
保証期間は「長ければ良い」というわけではありません。
使用する塗料の耐久性や工事内容と比べて、保証期間か適正かどうかを確認しましょう。
④ 定期点検の有無・頻度
保証が長期間でも、定期点検がない場合は不具合に気づくタイミングが遅れます。
多くの優良業者では「3年点検」などの定期点検を設けチェック体制を整えています。
定期点検があるかどうかは、安心して長く住むための重要なポイントです。
⑤ 再施工時の費用負担のルール
保証対応において、
- 足場代は無料になるのか?
- 部分補修なのか、全面補修なのか?
など、補修の範囲と費用負担のルールは業者ごとに異なります。
契約後に「足場代は有料だった」というケースは少なくありません。
細かい条件まで確認しておきましょう。
⑥ メーカー保証が付く工事かどうか
塗料メーカーが提供する「品質保証」が付く場合、材料不良によるトラブルにも対応してもらえるため、より安心です。
ただし、メーカー保証には特定の条件(所定の施工方法)があるため、併せて確認しましょう。
屋根工事にも保証はある?
屋根工事で張り替えや重ね張りなどを施工した場合には、以下のような症状が保証対象になるのが一般的です。
・施工が原因の雨漏りや漏水
・施工不良によって生じた穴あき等
・瓦などの製品の変質で起きたひびや割れ
・施工ミスによる瓦などの屋根材の脱落
台風などによって瓦が脱落したという場合には火災保険の適用対象になり、一般的には自社保証やメーカー保証などの対象外になります。
雨漏りが発生した場合にも施工に瑕疵があったかどうかを点検・調査してから保証対象になるかを判断するのが一般的です。
リフォーム瑕疵保険に加入していた場合の保証対象
リフォーム瑕疵保険は瑕疵担保責任について明記した住宅保証機構指定の保証書を使用して契約していた場合には、工事の欠陥全般について保証対象になります。
その場合は施工業者が基準に則って施工していることが重要になります。
基本的には施工中や施工後の点検・検査の時点で保証対象になる水準の施工が行われたことを確認します。
塗装の剥がれが著しく早い、施工後に大雨が降ったら雨漏りがあったといった時には適用できる場合がほとんどです。
まとめ
外壁塗装工事をするときには自社保証やメーカー保証の内容を確認してから契約することが大切です。
また、リフォーム瑕疵保険は施工業者が加入していなければ受けることはできません。
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