防水工事と塗装工事の違いとは
投稿日:2023.7.20更新日:2023.7.20
お住まいは屋根や外壁、ベランダ、雨樋など沢山のパーツが組み合わさってできています。
それら全てが同じメンテナンス方法ではありません。
場所によっては塗装工事や防水工事、漆喰工事、葺き替え工事、張り替え工事などが必要になります。
この記事では、メンテナンスの中でも多い頻度で行う、『塗装工事』と『防水工事』についてご紹介します。
各部のメンテナンス方法
お住まいの部分によってメンテナンス方法は異なります。
・屋根・・・塗装、葺き替え、重ね葺き、漆喰補修など ・外壁・・・塗装、張替えなど ・屋上、ベランダ、陸屋根・・・防水(稀に塗装) ・雨樋などの付帯部・・・塗装、交換、清掃など |
この中で特に多い工事は塗装工事、防水工事です。
では、この2つはどのような違いがあるかをご紹介します。
防水工事とは
ではまず、防水工事とは何なのか、場所別の施工方法について詳しく解説します。
特徴
防水工事の目的は屋上やベランダなどの傾斜の無い部分に施工します。
傾斜がない場所は雨水が流れにくい為、防水に特化した工事を行います。
その為、外壁のように水の流れやすい場所には防水工事は行いません。
雨水が建物に侵入してしまうと、木造であれば木材が腐ってしまったり、湿った木材を好むシロアリを呼び寄せてしまいます。
鉄筋コンクリートの場合は鉄筋が錆びてしまい、強度に影響が出てくる可能性があります。
また、防水工事は雨水の侵入を防ぐ為に行うものなので、塗装工事とは違って「こんな色にしたい」といっても大抵は叶いません。
防水工事は大きく分けて4つあり、ウレタン防水・FRP防水・シート防水・アスファルト防水とあります。
施工する場所(ベランダ、屋上など)、既存の防水層、広さ、お客様のご希望内容により、どの施工方法が適しているかが異なります。
各防水工事の違い
4つの防水工事の違いを以下の表にまとめました。
防水工事を検討される際、参考にしてください。
特徴 | 耐用年数 | 単価 | |
ウレタン防水 |
液状のウレタン樹脂を塗装し、厚みをつけることで防水効果を発揮させる |
約8~12年 | 約4,500~7,000円/㎡ |
FRP防水 | ガラス繊維でできたマットを敷き、上からポリエステル樹脂を塗装する | 約10~12年 | 約6,000~8,000円/㎡ |
シート防水 | ゴムや塩化ビニールで作られたシートを接着剤や機械で固定する | 約10~15年 | 約4,000~8,000円/㎡ |
アスファルト防水 | 合成繊維不織布にアスファルトをコーティングした防水シートを貼り重ねる | 約15~20年 | 約5,500~8,500円/㎡ |
場所別の施工方法
では、具体的にどの場所にどの施工方法が適しているかをご紹介します。
・ベランダ、バルコニー
お住まいの防水工事でもっとも多い施工場所はベランダ、バルコニーです。
ちなみにベランダは屋根がある、バルコニーは屋根がないというのが違う点です。
一般的なお住まいのベランダ、バルコニーは「ウレタン防水」か「FRP防水」で、最近ではFRP防水が主流になっています。
FRP防水は船舶にも用いられるほど防水性が高く、軽量に仕上げることができるため、住宅のベランダやバルコニーの施工に適しています。
・陸屋根や屋上
陸屋根や屋上があるお住まいの防水工事は、施工面積によって「ウレタン防水」と「シート防水」に分けられます。
一般的に、複雑な形状の場合はウレタン防水が多く、面積が広い場合はシート防水が採用されることが多いです。
塗装工事とは
高圧洗浄や劣化補修などの下地処理を行ってから、塗料で塗装をしていく工事です。
塗装工事は建物の屋根、外壁、付帯部、内部などの補修・保護や美観の向上が目的です。
補修が必要なのは、例えばひび割れが起きている部分を補修せずに新しい塗料を塗っても、ひび割れ箇所から雨水が侵入します。
お住まいの様々な場所では塗膜によって保護されていますが、紫外線や雨風などによって塗膜は劣化していきます。
すると、塗膜が持つ防水性や遮熱性、低汚染性などが低下し、やがて汚れやひび割れ、カビ・苔の発生、最終的には雨漏りなどの症状を引き起こします。
そうならない為、定期的な塗り替えが必要なのです。
塗料の種類
塗装工事に使用する塗料は種類があり、特徴が異なります。
水性・油性塗料・・・外壁塗装に使用する塗料は大きく分けて「水性塗料」と「油性塗料」があります。
塗料の希釈に水を使用するのが水性塗料。
シンナーなどの有機溶剤を使用するのが油性塗料です。
一般的に、油性塗料の方が耐用年数が長く、施工費用も高くなります。
しかし、環境問題などから水性塗料を使用するケースも多くなっています。
更に水性塗料の普及とともに耐用年数などの改良が進んでおり、現在の水性塗料と油性塗料では耐用年数に大きな差はなくなってきています。
1液性・2液性塗料・・・水などで希釈するだけで使用できる「1液性塗料」と、主剤と硬化剤を混ぜて使う「2液性塗料」があります。
この2つでは2液性の塗料の方が耐用年数は長い傾向にあります。
塗料のグレード
塗料にはグレードがあり、一般的に塗料に含まれる樹脂によってランク付けられています。
そのグレードにより、耐用年数や施工費用が異なります。
塗料のグレードは下からアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料の順番とされています。
更に塗料に含まれている樹脂に関係なく、ラジカル塗料というタイプも登場しています。
ラジカル塗料は耐候性が高いにも関わらず比較的安価とコスパが良く、人気が出てきた塗料です。
また、光触媒塗料や無機塗料といった高耐久塗料や、遮熱塗料や断熱塗料のような機能性を付与した塗料もあります。
塗装方法
塗装方法はローラー塗装と吹き付け塗装に分かれます。
・ローラー塗装・・・塗装工事はこのローラーと刷毛で使う工法が一般的です。
使うローラーは様々で、最終的な仕上がりはローラーの形状に関係します。
マスチックローラーという模様をつけるローラーもあります。
・吹き付け塗装・・・スプレーガンという道具を使い、塗料を霧状にして塗装する方法です。
石目調などの複雑な仕上がりにする場合は吹き付け塗装でなければ施工できません。
また、広範囲の塗り替えをスピーディに行えるため、大型の建物や公共工事でよく用いられます。
防水塗装という言葉は存在しない?
インターネットや広告などで「防水塗装」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
この「防水塗装」は造語であり、存在しない言葉なのです。
というのも、塗装工事と防水工事は別の工事だからです。
塗装工事と防水工事を混同している、または「依頼してくる人がイメージしやすいように」と使用しているのでしょう。
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いかがでしたでしょうか。
施工する箇所によって防水工事・塗装工事・その他に分かれる事がおわかりいただけたと思います。
しかし、どの場所にどの工事が必要かは専門的な知識が必要になる事も。
外装リフォームプロでは地元での施工が200棟以上の工事店しかご紹介をしていません。
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