無機塗料とは? (特徴や、他の塗料との違いなど)
投稿日:2021.10.9更新日:2021.11.5
塗料にはアクリル塗料やフッ素塗料、ラジカル塗料、光触媒塗料など、沢山の種類があります。
それぞれに特徴、メリット、デメリットがあります。
無機塗料は塗料の中でも特に耐用年数が高い、優れた塗料です。
今回は、無機塗料の特徴や他の塗料との違いについて詳しくご紹介します。
そもそも、無機塗料とはどんな塗料?
塗料には”有機塗料”と”無機塗料”があります。
有機塗料は一般的な塗料を指し、アクリル塗料・シリコン塗料・フッ素塗料などがあげられます。
有機塗料には樹脂成分(アクリル・シリコン・フッ素等)が含まれており、紫外線に当たる事で樹脂が分解され、退色や変色などの劣化症状が発生します。
一方、無機塗料は樹脂成分が含まれていません。
ガラスなどの無機成分が主成分になっています。
劣化現象の原因となる樹脂成分が主成分ではない為、有機塗料と比べて性能が高いのです。
ただ、無機塗料も樹脂成分を全く含んでいないわけではありません。
それは、無機物だけでは塗料としての粘着性を持つ事ができない為、樹脂成分は含まれています。
有機塗料に比べて無機塗料の方が樹脂成分を含む割合が少ないので、その分耐久性が高いのです。
無機塗料のメリット・デメリット
無機塗料にもメリットとデメリットがあるのでご紹介します。
詳しい特徴を知り、塗料を選択する際の参考になさってください。
まずはメリットについてです。
①耐候性が高い・・・紫外線によって劣化症状が発生する樹脂成分をほとんど含まないので、耐候性に優れています。環境や商品によっては20年以上持つと言われています。
②カビ・苔が発生しにくい・・・無機塗料はカビや苔に強いという特徴もあります。その理由はカビや苔が栄養とする樹脂成分をほとんど含まないからです。
③汚れにくい・・・無機塗料は静電気が発生しにくい為、ホコリなどの汚れが付着しにくいです。
また、親水性が高いので、汚れが付着してしまっても雨が降る事で自動的に汚れを洗い流してくれます。
親水性とは、水を弾くのではなく、水を馴染ませる性能です。
無機塗料を塗布している外壁と汚れの間に雨水が入って汚れを洗い流してくれるのです。
④不燃性・・・無機塗料は鉱物などといった無機物が主成分なので、燃えにくいという特徴もあります。
続いて、デメリットについてです。
①価格が高い・・・他の塗料に比べて圧倒的に価格が高いです。ただし、耐用年数が高いので、次のメンテナンスまでの時期が長く、結果的にお住まいにかかるトータルコストを抑えられる場合もあります。
②ひび割れしやすい・・・無機物が主成分の為、硬い塗膜になります。外壁にヒビが入ると塗膜にもヒビが入るので、ヒビが発生しやすい外壁にはあまり向いていません。
③再塗装が難しい・・・無機塗料の上から新しい塗料を塗ろうとすると、新しい塗料が密着しにくくなるというデメリットがあります。
いかがでしたでしょうか。
塗装工事では塗料選びも重要な選択です。
なお、塗装会社がいくつか塗料を提案し、詳しい説明もあるかと思います。
納得いくまで相談し、外壁の素材や状態、ご希望内容やご予算内に収まる塗料をご選択くださいね。
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