屋根塗装の最適な時期は?塗装劣化の原因と塗替えのサインも解説
投稿日:2025.1.6更新日:2025.1.7
屋根の塗装は、住宅を守る上で非常に重要な役割を果たしています。
塗膜が劣化すると雨漏りの原因になるだけでなく、住宅全体の寿命を縮める要因にもなりかねません。
この記事では、屋根塗装の最適な時期と劣化の原因、塗り替えのサインについて解説します。
屋根塗装の塗り替え時期は約10年
屋根塗装を塗り替える最適な時期は、一般的に約10年と言われています。
しかし、これはあくまでも目安であり、使用されている屋根材や塗料の種類によって異なります。
屋根材の種類ごとの塗り替え時期
屋根材の種類ごとの耐用年数・塗り替え時期は、下表のとおりです。
屋根材の種類 |
耐用年数 |
塗り替え時期 |
日本瓦 |
50〜100年 |
必要なし |
金属屋根 |
30〜60年 |
5〜10年毎 |
セメント瓦 |
30〜40年 |
5〜10年毎 |
ストレート瓦 |
20〜25年 |
5〜10年毎 |
伝統的な日本瓦の屋根は、適切なメンテナンスのもとでは、20年以上も長持ちすることが期待できます。
一方で、金属屋根やセメント瓦・ストレート瓦屋根は、日本瓦屋根に比べて耐用年数が短く、10年程度で塗装の塗り替えが必要になるケースも少なくありません。
屋根塗装の種類による耐用年数の違い
同じ屋根材であっても、使用している塗料の種類によっても塗り替え時期は左右されます。
主な塗料の耐用年数は下表のとおりです。
塗料の種類 |
耐用年数 |
アクリル塗料 |
5〜7年 |
シリコン塗料 |
10〜13年 |
フッ素塗料 |
15〜20年 |
無機塗料 |
20年以上 |
安価なアクリル塗料は耐久性が低いため、5~7年程度で塗り替えが必要となることが多いです。
一方、高性能なフッ素塗料や無機塗料は耐久性が高く、15年以上もつため、長期的に見ると費用対効果が高いです。
シリコン塗料はバランスが良く、コストパフォーマンスに優れています。
屋根塗装が劣化する主な原因
屋根は建物全体を守る大切な部分です。
しかし、長年の風雨や紫外線にさらされることで、徐々に劣化が進みます。
以下では、屋根塗装の劣化を早める主な原因と、その対策について解説します。
紫外線による劣化
屋根は常に太陽光にさらされているため、紫外線による劣化は避けられません。
紫外線は塗膜の成分を分解し、塗膜の強度を低下させ、ひび割れ・剥がれ・色あせなどの劣化症状を引き起こします。
紫外線による劣化を防ぐには、耐候性の高い塗料が効果的です。
屋根材に適した塗料を選ぶことで、屋根自体の耐久性が増し、紫外線による劣化を最小限に抑えられます。
雨風による影響
雨や風は屋根に物理的なダメージを与え、塗膜を剥がしたり、ひび割れさせたりします。
特に強風や豪雨は、屋根に大きな負担をかけ、塗膜の劣化を加速させます。
雨風による劣化を防ぐには、防水性の高い塗料で雨水を侵入させないことが重要です。
塗料の質が悪い
塗料の品質は、屋根の寿命を大きく左右する要素の一つです。
一般的に、安価な塗料は耐候性・防水性が低く、高価な塗料に比べて劣化しやすい傾向があります。
長期的に見ると、高品質な塗料の使用は屋根塗装の寿命を延ばし、コストパフォーマンスに優れている場合があります。
施工ミス
施工ミスも、屋根塗装の劣化を早める原因の一つです。
下地処理が不十分であったり、塗料の希釈率が間違っていたりすると、塗膜の密着性が低下し、剥がれやひび割れが発生しやすくなります。
施工ミスによる劣化を防ぐには、熟練した職人や信頼できる業者への依頼が不可欠です。
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屋根塗装すべき劣化のサイン
屋根塗装の劣化は雨漏りの原因となるだけでなく、建物の寿命を縮める要因にもなるため、劣化の兆候をいかに早く見つけられるかが重要となります。
以下のサインが見られたら、早急に専門業者へ相談することをおすすめします。
ひび割れや剥がれ
屋根の表面にひび割れや剥がれが生じている場合は、塗膜の劣化が進んでいるサインです。
この状態を放置すると雨水が屋根材に浸透し、雨漏りの原因となります。
構造材を腐らせる可能性もあり、大規模な修繕へと発展することも考えられるので、早期の補修工事が必要になります。
コケやカビの繁殖
コケやカビが生えている屋根は、湿気が多く、塗膜が劣化している状態を示しています。
建物の美観を損なうだけでなく、屋根の防水性を低下させ、建物の寿命を縮める原因にもなります。
改善するには高圧洗浄や薬剤処理を要するケースが出てきますので、屋根にコケやカビの繁殖が見られたら、まずは専門業者へのご相談がおすすめです。
チョーキング現象
屋根の表面を手で触ると白い粉が付く現象を「チョーキング現象」といいます。
これは、塗膜の表面が劣化し、塗料の成分が粉状になっている状態です。
チョーキング現象が現れている場合は、塗膜の防水性が低下しているため、再塗装が必要です。
色あせ
屋根の色が薄くなったり、変色したりしている場合は、紫外線による劣化が進んでいるサインです。
色あせを放置すると塗膜の防水性が低下し、雨漏りの原因になる可能性があるため、早期の修繕が必要になります。
屋根塗装の劣化を放置した場合のリスク
屋根塗装の劣化を放置しておくと、住宅の寿命を縮めたり、思わぬ出費に繋がる可能性も。
以下では、屋根の劣化を放置した場合のリスクについて解説します。
雨漏りのリスク
屋根の塗装が剥がれ落ちたり、ひび割れたりすると、雨水が建物内部に侵入しやすくなります。
雨漏りは天井や壁にシミやカビを生じさせ、建材を腐らせる原因となります。
また、電気系統に影響を与え、ショートや火災につながる危険性も孕んでいるため、塗装劣化を見つけたら早めに対処しましょう。
断熱性能の低下
屋根の塗装で遮熱塗料や断熱塗料を使用している場合、建物の断熱にも重要な役割を果たしています。
塗膜が劣化すると屋根の断熱性能が低下し、夏は暑く、冬は寒い住まいになります。
結果として冷暖房費が増加し、家計への負担が増大する可能性も否定できません。
修繕費の高騰
屋根の塗装劣化を放置すると、後に大きな被害に発展し、結局は高額な修繕費用が発生する場合があります。
例えば、小さなひび割れや剥がれを放置すると、そこから雨水が侵入し、より広範囲にわたって腐食や損傷を引き起こしてしまいます。
屋根の構造部材まで損傷が及ぶと、単純な塗装の塗り替えだけでなく、下地補修や構造材の交換といった大規模な工事が発生するでしょう。
劣化が進行した屋根の修繕には、高度な技術を持った専門業者の介入が必要となり、工事費用も高額になります。
屋根塗装の劣化チェック方法
屋根塗装の劣化を防ぐには、定期的な確認作業が欠かせません。
ここでは、セルフチェック・ドローン撮影・専門家の診断によるチェック方法を解説します。
それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
セルフチェックで確認する方法
セルフチェックは、肉眼で屋根の状態を把握する方法です。
ひび割れ、剥がれ、コケやカビの発生、チョーキング現象、色あせなどの劣化サインを手軽に発見できるのがメリットです。
ただし、高い場所の確認が難しかったり、細かい部分の確認が難しいというデメリットもあります。
セルフチェックは、あくまで初期の段階での劣化発見を目的としたものです。
より詳細な検査が必要になったら、ドローン撮影による屋根診断をおすすめします。
ドローン撮影による屋根診断
ドローン撮影による屋根診断は、高所や危険な場所でも安全に屋根の状態を確認できる方法です。
ドローンで撮影した高解像度の画像を元に、劣化のサインを詳しく分析できるのが特徴です。
セルフチェックでは確認できない細かい部分まで確認できるため、より精度の高い診断が実現できます。
一方で、ドローンを飛ばすための費用や、専門業者の費用がかかるというデメリットもあります。
最終的には専門業者による診断がおすすめ
最終的には、専門業者による屋根診断がおすすめです。
長年の経験と豊富な知識をもとに、肉眼では見つけにくい小さな劣化や、建物の構造上の問題まで発見するため、屋根の長寿命化にも貢献します。
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屋根塗装の費用目安
屋根塗装を業者に依頼する場合、一般的な30坪程度の住宅(屋根面積60㎡程度)であれば、費用相場は40〜80万円程度となります。
ただし、この費用は使用する塗料の種類やグレード、塗装を行う屋根の面積によって変動します。
ここでは、代表的な屋根材である瓦屋根、金属屋根、スレート屋根の塗装費用について解説します。
瓦屋根
瓦屋根の塗装費用は、一般的に1,500〜2,500円/㎡が相場です。30坪程度の住宅に置き換えると30〜60万円程度となります。
瓦の種類や形状、屋根の形状、使用する塗料の種類によって変動します。
屋根の形状が複雑だったり、急勾配で高所作業が必要になったりすると、費用は高くなる傾向です。
塗料の種類によっても費用は変動します。一般的なアクリル塗料は安価ですが、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料は高品質なため、価格も高くなります。
金属屋根
金属屋根の塗装費用は2,500〜4,000円/㎡が相場です。30坪程度の住宅に置き換えると60〜120万円程度です。
金属屋根には、ガルバリウム鋼板やアルミ屋根などの種類があり、それぞれ塗装の難易度や必要な塗料が異なるため、費用に影響します。
屋根の劣化状況によっては、錆止め処理や下地処理が必要になる場合があり、追加費用が発生することがあります。
スレート屋根
スレート屋根の塗装費用は2,000〜3,000円/㎡が相場です。30坪程度の住宅に置き換えると60〜90万円程度です。
瓦屋根と金属屋根の中間の費用感ですが、屋根の劣化状況によっても費用は変動します。
コケやカビが生えていたり、ひび割れがある場合だと事前に除去作業が必要となり、追加費用が発生することもあります。
まとめ
屋根塗装の最適な時期は約10年が目安ですが、屋根材の種類や塗料の種類、地域の気候などによって異なります。
大切なのは、定期的に屋根の状態をチェックし、劣化の兆候に早めに気づくことです。ひび割れ、剥がれ、コケ、カビ、チョーキング現象、色あせなどがみられる場合は、塗装の塗り替えをおすすめします。
屋根塗装は建物を保護し、その寿命を延ばすための大切なメンテナンスです。早期に適切な処置を行うことで、快適な住環境が維持できるので、塗装劣化が気になる方は専門業者への依頼をおすすめします。
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*MS