外壁の塗装剥がれは火災保険で補償される?申請手順を解説

投稿日:2025.1.7更新日:2025.1.7

外壁の塗装が剥がれてきたけれど、火災保険で直せるのかな?と疑問に思っている方もいるかもしれません。

実は、火災保険は火事だけでなく、風災や雪災などの自然災害による外壁の損傷にも適用される場合があります。

 

この記事では、外壁の塗装剥がれが火災保険で補償される条件や申請手順、注意点などを詳しく解説します。

ぜひ最後まで読んで、ご自宅の外壁の状態を確認し、火災保険の活用を検討してみてください。

 

外壁の塗装剥がれに火災保険が適用される条件

まず、外壁の塗装剥がれに火災保険が適用されるための条件を解説します。

 

条件1:自然災害による剥がれ

外壁の塗装剥がれで火災保険が適用されるための大前提は、自然災害による剥がれであることです。

 

自然災害とは、台風や強風、豪雨や積雪、ひょう、落雷などを指し、飛来物の衝突や直接的な損傷などが該当します。

経年劣化・老朽化・施工不良による剥がれは対象外です。また、地震による被害は地震保険の対象となります。

 

保険会社は被害状況を調査するため、写真や動画での記録が重要です。

剥がれた部分の全体像、アップ、周囲の状況を撮影し、被害日時や状況も記録しましょう。

具体的には「〇月〇日の台風〇号で剥がれた」のように記録すると良いです。

 

気象庁データ等で自然災害が原因と証明できる資料があると、保険金請求がよりスムーズになります。

 

条件2:損害発生から3年以内

外壁塗装の剥がれで火災保険が適用されるには、損害発生から3年以内の申請が必要です。

これは保険法で定められた権利行使期間であり、過ぎると請求権を失います。

 

例えば2020年10月の被害なら、2023年10月が期限です。

時間が経つと原因特定が難しくなり、証拠も失われる可能性があるため、早めの連絡と手続きが重要です。

 

修理後でも3年以内なら請求できる可能性がありますが、修理前の被害状況を示す写真や見積書が必要になるので、修理前に必ず記録を残しましょう。

この3年は保険金請求の期限であり、想定外の事態にも対処できるよう、保険会社への連絡・相談は早めに行うことをお勧めします。

 

条件3:免責金額より補修費用が高い

外壁塗装の剥がれで火災保険が適用されるには、補修費用が免責金額より高いことが条件です。免責金額とは、契約時に設定する自己負担額を指します。

 

例えば免責金額が20万円の場合、補修費用が20万円を超えなければ保険金は支払われません。

同じく免責金額が20万円、補修費用が30万円なら、免責の20万円を引いた10万円が保険金として支払われます。

 

免責金額は契約によって異なり、0円から数十万円まで幅がありますので、火災保険の適用時は契約内容を必ず確認しましょう。

 

外壁剥がれの原因を自分でチェックする方法

外壁の剥がれの原因を自分でチェックすることで、火災保険が適用される可能性があるかどうかの判断材料になります。

ここでは、よくある外壁剥がれの原因と、チェック時に役立つ写真撮影のポイントをご紹介します。

 

よくある剥がれの原因

外壁剥がれの原因として、特に多いのは経年劣化です。

外壁が紫外線や雨風に長年さらされることで塗膜が劣化し、塗装が剥がれやすくなります。

塗料の寿命とも関係し、一般的に10年前後で劣化が目立ち始めます。

 

また、施工時に下地処理不足や塗料の選定・希釈ミスがあると、塗装が早期に剥がれてしまう可能性が高いです。

下地が汚れたまま塗装したり、塗料を薄めすぎたりすると密着性が悪くなり、それが塗装剥がれの要因となります。

 

外壁塗装は気象条件にも影響し、極端な高温・低温や多湿な環境は塗膜の劣化を早めます。

特に塗装直後の悪天候は、塗装剥がれのリスクを高めるため注意が必要です。

 

写真撮影を忘れずに

外壁の剥がれを発見したら、必ず写真撮影を行いましょう。

塗装剥がれの原因を特定したり、業者に状況を伝えたりする上で非常に重要です。写真撮影は、以下の手順で進めると良いでしょう。

1. 剥がれの全体像を撮影する
2. 剥がれの箇所を近距離で撮影する
3. 剥がれの周辺の状況も撮影する

 

まず、全体像の撮影で剥がれの範囲・広がり具合を把握。

次に剥がれの箇所を近距離で撮影し、ひび割れの入り方や剥がれた部分の断面といった、より詳しい状況を把握します。

 

また、剥がれの周辺の状況も撮影しておくと良いです。

例えば、雨どいの近くで剥がれが発生している場合は、雨漏りが原因の可能性も考えられます。

これらの写真は、業者に相談する際や、保険を申請する場合にも役立つ重要な資料となりますので、火災保険を申請する際は忘れずに撮影しておきましょう。

 

火災保険の補償範囲・支給額

火災保険の補償範囲は契約により異なり、建物のみのもの、または建物と家財の両方が対象となるものがあります。

 

支給額は損害程度、契約保険金額、免責金額で決まります。

全損は保険金額が上限、一部損は損害額から免責金額を引いた額が支給されます。例えば、損害50万円・免責10万円なら支給は40万円です。

 

残存物片付け費用や仮住まい費用を補償する特約もあり、付帯でより手厚い補償を受けられます。

具体的な補償範囲や支給額は契約により異なるため、契約書の確認、もしくは保険会社への問い合わせをおすすめします。

 

外壁の塗装剥がれで火災保険を申請する流れ

火災保険の申請手順は以下のとおりです。

スムーズな申請のために、各手順をしっかりと確認しましょう。

 

手順1:塗装業者へ連絡

外壁の剥がれで火災保険を検討する場合、最初に行うのは塗装業者への連絡です。

 

被害状況の確認と見積書作成を依頼するため、「火災保険の申請を検討している」と明確に伝えましょう。この一言で、業者は保険申請に必要な書類作成や写真撮影に協力してくれる可能性が高まります

 

見積もり依頼時には、被害状況を詳しく伝え、現地調査の日程を調整します。現地調査で剥がれの状況を直接確認してもらい、今後の対応を相談することが大切です。

 

手順2:見積書を作成してもらう

塗装業者に連絡後、次の手順は見積書の作成依頼です。

この見積書は、保険会社に損害額を伝えるための重要な資料となります。

 

見積書には、被害箇所の詳細な情報、修理に必要な材料や作業内容、費用が明確に記載されている必要があります。

業者に「保険申請用」である旨を伝えておけば、保険会社が求める形式で作成してくれるのが一般的です。

 

見積書の受け取り後に不明点があれば、業者へ質問を投げかけ、納得のいくまで説明を受けるのをおすすめします。

特に、見積書に「別途費用」などの曖昧な表現がないかをチェックし、後々のトラブルに発展しないよう心がけましょう。

 

 

手順3:保険会社に申請

見積書が揃ったら、いよいよ保険会社への申請です。

保険会社への連絡は、電話やインターネット、または郵送など、保険会社によって方法が異なりますので、ご自身の契約している保険会社の案内に従ってください。

 

連絡時には、保険証券番号や事故の日時、状況などを伝える必要があります。

その際は「台風による強風で、南側の外壁の塗装が広範囲に剥がれている」といった具体的な説明が効果的です。

見積書を作成してくれた業者名も伝えておくと、後の手続きがスムーズに進む場合があります。

 

手順4:必要書類の準備

保険会社への連絡後、必要書類の準備に取り掛かります。通常だと下記の書類が必要です。

 

・保険金請求書
・事故状況説明書
・修理見積書
・被害状況の写真

 

保険金請求書と事故状況説明書は、保険会社から送付されます。

説明書には、被害の日時・場所、状況を詳細に記述

修理見積書は業者に作成してもらったものを使用します。

被害状況の写真は、被害箇所全体と、状況がよくわかる近接写真の両方を用意します。

 

これらは被害状況を客観的に証明する重要な資料です。場合によっては、罹災証明書などの提出を求められることもありますので、保険会社からの案内に従って準備しましょう。

 

手順5:調査員の訪問と状況確認

必要書類を提出後、保険会社から委託された調査員が自宅を訪問し、被害状況の確認を行います。

この調査は、提出された書類と写真だけでは判断できない部分を補完し、損害額を適切に評価するために行われます。

 

調査員は外壁の剥がれの状況を直接確認し、写真撮影などを実施。

その際、被害状況について質問される場合があります。「いつ頃から剥がれ始めたのか」「剥がれが広がったきっかけは何だったのか」といった質問に答えられるようにしておくと、調査がスムーズに進むでしょう。

 

調査員の訪問が終わると、保険会社は調査結果と提出された書類を総合的に判断し、保険金の支払い額を決定します。

 

手順6:損害保険会社による審査

調査員の訪問後、提出された書類、写真、調査結果をもとに、損害保険会社による審査が行われます。

この審査では、提出された情報が保険契約の内容と照らし合わせられ、保険金支払いの対象となる損害かどうか、支払われる保険金の額が適切かどうかが判断されます。

 

審査は保険会社の担当者によって行われ、場合によっては専門的な知識を持つ鑑定人などが関与するケースも。

審査の結果、保険金が支払われると判断された場合、具体的な支払額と支払い時期が通知されます。

 

手順7:保険金の支払い

損害保険会社による審査が完了し、保険金の支払いが決定すると、具体的な支払額と支払い方法、支払い時期が通知されます。

支払いは通常、指定した銀行口座への振り込みによって行われます。保険会社によっては、その他の支払い方法を選択できる場合もありますので、通知内容をよく確認しましょう。

 

保険金が振り込まれたら、通知書と照らし合わせて金額に間違いがないか確認します。

もし金額に相違がある場合は、速やかに保険会社へ連絡しましょう。保険金を受け取った後は業者に連絡し、修理の手配を行います。

 

外壁の塗装剥がれで火災保険を申請する際の注意点

外壁の塗装剥がれは、自然災害が原因であれば火災保険の適用対象となる可能性があります。

しかし、必ずしも保険金が支払われるとは限らず、申請が却下されるケースや、意図せず保険金詐欺に該当してしまうケースも存在します。

 

トラブルを避けるためにも、以下の注意点を事前に確認しておきましょう。

 

申請が却下されるケースもある

火災保険は前述のとおり、自然災害による偶発的な事故によって生じた損害を補償するものであり、時間の経過とともに発生する劣化は対象外です。

施工不良が原因で塗装が剥がれた場合も、施工業者の責任範囲となるため、保険の対象外となります。

 

また、保険契約の内容によっては、特定の自然災害が補償対象外となっている場合もあります。

例えば、水害を補償対象外としている契約だと、台風による豪雨で外壁が損傷した場合などは、保険金が支払われません。

 

外壁の塗装剥がれで火災保険を申請する際は、事前に保険契約の内容をよく確認し、どのような場合に保険金が支払われるのかを把握しておくことが重要です。

 

保険金詐欺に注意

火災保険の申請では、保険金詐欺に該当する行為に十分注意する必要があります。

 

例えば、経年劣化による塗装の剥がれを、台風などの自然災害が原因であると偽って申請する行為は、明らかな保険金詐欺です。

また、業者から「強風で剥がれたことにして申請すれば保険金がもらえる」などと持ちかけられ、虚偽の申請をしてしまうケースも少なくありません。

 

たとえ業者に勧められたとしても、虚偽の申請を行った場合は、申請者自身が罪に問われる可能性があります。

不明な点があれば、必ず保険会社に直接問い合わせ、正しい情報を得ることが大切です。

 

火災保険の申請は専門業者へ依頼するのがおすすめ

火災保険の申請は、複雑な手続きや専門知識が必要となるため、個人で行うにはハードルが高いです。

特に、損害状況の調査や保険会社との交渉などは、専門的な知識がないと適切に進めるのが難しいです。

 

そこで、火災保険の申請をスムーズに進めるには、専門業者への依頼をおすすめします。

ここでは、専門業者に依頼するメリットについて解説します。

 

専門業者に依頼するメリット

専門業者に火災保険の申請を依頼するメリットは、下記のとおりです。

・保険金を最大限に受け取れる可能性が高まる
・時間や手間を大幅に削減できる
・不測の事態にも対応できる

 

専門業者は火災保険に関する豊富な知識と経験を持っているため、個人では見落としてしまうような損害箇所を発見し、適切に申請してくれます。

損害箇所を漏れなく申請することで、保険金を最大限に受け取れる可能性が高まります。

 

また、複雑な申請書類の作成や保険会社との交渉などを代行してくれるため、時間や手間を大幅に削減可能です。

保険会社との交渉は専門的な知識が必要となる場合が多く、個人で行うには困難な場合がありますが、専門業者への依頼でスムーズに進められるでしょう。

 

専門業者を選ぶ際のポイント

火災保険申請の専門業者を選ぶ際には、以下のポイントを抑えておく必要があります。

 

・業者の実績と経験
・提供するサービス内容
・料金体系

 

専門業者を選ぶ際は、過去の成功事例や顧客の評判などを参考に、信頼できる業者かどうかを見極めることが大切です。

また、業者が提供するサービス内容をしっかりと確認し、損害調査から申請書類の作成、保険会社との交渉まで、一貫してサポートしてくれるかどうかも確認しましょう。

特に、保険会社との交渉は専門的な知識が必要となるため、交渉力のある業者の選定が重要です。

 

費用相場と依頼方法

火災保険申請を専門業者に依頼する際の費用相場は、一般的に受け取った保険金の25%~40%程度とされています。

 

契約形態としては成果報酬型がほとんどで、事前に費用が発生するケースは少ないです。

ただし、業者によっては調査費用や見積作成費用などの名目で、保険金が下りなくても費用を請求する場合があるため、契約前にしっかりと確認することが重要です。

 

依頼方法は、インターネットで「火災保険申請サポート」などのキーワードで検索し、複数の業者を比較検討するのが一般的です。

業者のウェブサイトで実績やサービス内容、料金体系などを確認し、気になる業者には問い合わせて詳細を確認しましょう。

 

良心的な塗装業者の選び方

外壁塗装は住まいの美観を保つだけでなく、建物を長持ちさせるためにも重要なメンテナンスです。

一方で、塗装業者の中には悪質な業者も存在するため、業者選びは慎重に行う必要があります。

 

ここでは、良心的な塗装業者の選び方について解説します。

 

会社の実績を確認する

会社の実績は、その業者の技術力や経験、信頼性を測るための重要な指標となります。

良い塗装業者を見つけるには、まずホームページやパンフレットなどで過去の施工事例を確認しましょう。

写真付きで施工前後の様子が掲載されていると、より分かりやすいです。

 

また、施工事例だけでなく、創業年数やこれまでの施工件数などからも、業者の経験値が把握できます。

長年事業を続けている業者や、多くの施工実績を持つ業者は、それだけ多くの経験を積んでおり、様々な状況に対応できる可能性が高いです。

 

建設業許可の有無を確認する

建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に必要となる許可で、国土交通大臣または都道府県知事から交付されます。

一定の技術力や経営基盤を有している、という証明であり、良心的な業者を選ぶ上で重要となる指標です。

 

建設業許可は、業者のホームページや会社概要などで確認できます。

また、国土交通省のWebサイト「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」でも、建設業許可業者の検索が可能です。

許可番号が記載されていれば、その番号で検索することで、許可を受けているかどうかを確認できます。

 

口コミや評判をチェックする

良い塗装業者を選ぶには、インターネット上の口コミサイトや比較サイトを参考にするのもおすすめです。

実際に業者を利用した人の声は、業者の実態を知るための貴重な情報源となります。

 

ただし、口コミはあくまで個人の感想であるため、全てを鵜呑みにするのではなく、複数の口コミを比較検討することが大切です。

特に、良い口コミだけでなく悪い口コミにも注目し、どのような点が不満に思われたのかを確認しておけば、業者の弱点や注意すべき点を事前に把握できます。

 

相見積もりを取る

塗装業者を選ぶ際は、必ず相見積もりを取りましょう。

相見積もりとは、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼し、比較検討することです。適正な価格を把握できるだけでなく、各業者のサービス内容や対応なども比較できます。

 

相見積もりを取る際は、最低でも3社以上の業者に依頼するのをおすすめします。

あまりに多くの業者に見積もりを依頼すると、比較検討が煩雑になってしまうため、3社程度が適切です。

 

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まとめ

外壁塗装の剥がれは、原因によっては火災保険で補償される可能性があります。

しかし、経年劣化やメンテナンス不足による剥がれは補償対象外となるため、注意が必要です。

万が一の際に備え、この記事で紹介した内容を正しく理解し、適切な保証が受けられるよう心がけましょう。

 

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*MS

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