モルタル外壁の劣化症状と補修方法とは？外壁塗装の費用相場も紹介！
投稿日：2024.8.9更新日：2024.8.9
外壁はお住まいによって使用されている製品が異なり、窯業系サイディングや金属系サイディングの他、板張り外壁、ALC外壁などさまざまです。
外壁塗装に使用する塗料や下地処理方法は外壁材によって選ばなければなりません。
例えば、木材の外壁に錆止め塗料を塗っても錆びないので意味がなく、呼吸するという木材の性質を邪魔しないような塗装でなければ膨れが起こります。
今回は、モルタル外壁に焦点を当て、劣化症状ごとに補修方法を詳しく紹介します。
お住まいの外壁はモルタル外壁の方は、ぜひご参考になさってください。
モルタル外壁とは
モルタル外壁は古くから日本の住宅に採用されてきた素材で、防水シートが張られたラス板の上に金属網を固定し、その上からセメント・砂・水を混ぜて作ったペースト状のモルタルを塗って作り上げる外壁です。
現場で職人の手作業で作られる外壁なので、技術によって仕上がりに差が出ますが、デザインを自由に選ぶことができます。
表面をアレンジできるだけでなく、複雑な形状の外壁にも自在に施工できるというメリットもあります。
モルタル外壁の塗装メンテナンスが必要な理由
外壁材によっては塗装メンテナンスの必要がないものもありますが、モルタル外壁は約10年に1度ごとに塗装工事が必要です。
モルタル外壁は吸水性が高いため、雨水や湿気を吸水しやすいことから強度が劣化しやすいというデメリットがあります。
外壁塗装は見た目を綺麗にする工事と思われがちですが、最大の目的は保護のためです。
塗装をすることで防水性や耐久性を向上させ、外壁の寿命を延ばすことができます。
また、他の外壁材よりもひび割れ(クラック)が起こりやすく、放っておくと雨漏りを起こす恐れもあるため、深刻な状態になる前にひび割れ補修をすることが大切です。
モルタル外壁の劣化症状と補修方法
モルタル外壁にどのような劣化症状が起こったら工事が必要なのでしょう。
特に起こりやすい劣化症状と補修方法について紹介します。
ひび割れ(クラック)
モルタル外壁はひび割れが起こりやすい外壁ですが、どんなひび割れもすぐに補修しなければならない、というわけではありません。
ひび割れの状態によって補修が必要か、また、どのような補修方法が適しているかが異なります。
・0.3mm以下の場合
ヘアークラックと呼ばれる、浅いひび割れなら様子見で問題ないでしょう。
この程度であればモルタルの上に塗られている塗装にしかひび割れが起こっておらず、下地であるモルタルにまでは達していない可能性が高いからです。
見た目が気になるから直したい、という場合は塗装することで埋めることができます。
・0.3mm以上0.7mm以下の場合
この位、深いひび割れなら下地のモルタルまで到達している可能性が高いです。
防水性が高いゴム製の樹脂であるシーリング(コーキングとも呼びます)でひびを埋め、再発防止のために塗装をすると安心です。
・0.7mm以上の場合
ここまでくると、ただシーリング材を埋めても中まで行き届かず、内部に空洞ができます。
そのため、V字かU字の歯を付けたディスクサンダーでひび割れを20cm幅まで削ります。
ひび割れを広げてシーリング材を奥まで充填してひび割れを埋め、外壁全体をひび割れ再発防止のために塗装します。
・ひび割れが横方向の場合
ひび割れの方向によっても注意が必要です。
縦方向なら雨水はまだ入りにくい方ですが、横方向だと入りやすいのでできるだけ早めに補修が必要です。
横方向の場合は業者に雨漏りが起こっていないか、調査してもらいましょう。
モルタルの浮き、剥がれ
モルタル外壁の内部に浸透した水分や外部から衝撃などにより、モルタルが浮いたり剥がれることがあります。
この場合はピンニング工法と言い、ピンを打ち込んで下地材と固定して接着剤を注入して補修するケースが多いです。
完全にモルタルが剥がれている場合には下地まで腐食している可能性が高く、下地補修とモルタル補修、外壁塗装がセットで行われることもあります。
汚れ、カビ・苔、チョーキング現象、塗膜の剥がれ
これらの症状が該当する場合は、モルタルの上に塗られている塗装が劣化しているサインです。
塗料はペンキとは違って耐候性(紫外線や雨水から外壁を守る機能)や低汚染性、防カビ・防藻性などの機能が備わっています。
お住まいの環境や使用されている塗料によって異なりますが、約10年経つと塗装は劣化して機能が低下します。
新しい塗料を塗ることによって、塗料が持つ機能を回復することができます。
モルタル外壁を塗装すると、以下のようなメリットがあります。
|
・見た目が綺麗になる ・外壁の寿命が延びる ・建物の資産価値を維持できる ・ひび割れや雨漏りを防止する ・色を変えてイメージチェンジができる ・防虫塗料や遮熱塗料などを使うと、生活が快適になる |
なお、外壁塗装は傷んだ外壁にそのまま塗料を塗る工事ではなく、足場を組んだ後、高圧洗浄で不純物を洗い流し、ひび割れを補修するなどの下地処理をしてから塗装をします。
また、屋根塗装や付帯部の塗装も同時に行うのが一般的です。
モルタル外壁塗装の費用相場
最後に、2階建てのお住まいでモルタル外壁を塗装する場合の費用相場を紹介します。
費用は補修内容や使用塗料、施工する業者によって差が出るので、あくまで参考程度になさってください。
| 坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
| 30坪 | 約150㎡ | 約70～110万円 |
| 40坪 | 約200㎡ | 約90～140万円 |
| 50坪 | 約250㎡ | 約110～160万円 |
上記は足場代、高圧洗浄や補修工事などの下地処理を含む費用です。
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