雨漏り修理の費用相場は?見積もりの依頼前に確認すべきポイント
投稿日:2025.1.10
雨漏り修理を業者に依頼する際、最初のステップとなるのが見積もりです。
見積もりは、修理にかかる費用や工事内容を把握するための重要な資料となります。
しかし、見積もり書の見方や業者の選び方を知らないと、高額な請求を受けたり、不十分な工事をされたりするリスクもあります。
この記事では、雨漏り修理の見積もりについて、費用の相場、見積もり書のチェックポイント、優良業者の選び方などを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
雨漏り修理の費用相場【修理箇所別】
雨漏り修理の費用は、原因箇所や工事内容によって変動します。
ここでは、屋根や天井、外壁といった、よくある雨漏り箇所別に修理費用の相場を解説します。
屋根
屋根修理の一般的な費用相場は以下のとおりです。
・部分補修(瓦の交換、漆喰の補修、棟板金の交換など):数万円~30万円程度
・カバー工法(既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる):80万円~120万円程度
・葺き替え(既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根材に交換):140万円~200万円程度
屋根は雨風を直接受けるため、雨漏りが発生しやすい箇所の一つです。
瓦屋根の場合、瓦のズレや割れによる部分的な補修であれば数万円で済むこともあります。
しかし、屋根全体が劣化している場合は葺き替え工事が必要となり、数百万円の費用がかかる場合もあります。
スレート屋根や金属屋根の場合も同様で、部分補修であれば比較的安価に修理できますが、カバー工法や葺き替えを行う場合は高額になる傾向です。
また、漆喰の剥がれや棟板金の浮きなども雨漏りの原因となるため、これらの補修も必要に応じて検討する必要があります。
天井
天井の雨漏り修理費の一般的な費用相場は、以下のとおりです。
・部分補修(雨染みの除去、クロスの部分的な張り替えなど):数万円~10万円程度
・天井材の交換(一部または全面):10万円~30万円程度
・天井下地の補修・交換:5万円~20万円程度
天井は、屋根や上階からの雨漏りによって被害を受ける場所です。
天井に雨染みやカビが発生している場合は、雨漏りの可能性が高く、修理費用は被害の程度や範囲、天井の材質、雨漏りの原因箇所によって変動します。
雨染みがある程度で、天井材の交換が不要な場合は部分的な補修で済み、数万円程度で修理できるケースが多いです。
雨漏りが進行し、天井材が腐食したり、剥がれ落ちたりしている場合は天井材の交換が必要となり、費用は数十万円に達することもあります。
天井裏の断熱材や下地まで被害が及んでいる場合は、それらの交換や補修も必要となるため、費用はさらに高額になります。
陸屋根
陸屋根の雨漏り修理の一般的な費用相場は、以下のとおりです。
・部分補修(ひび割れの補修、排水口の清掃・補修など):数万円~30万円程度
・防水工事(ウレタン防水、シート防水など):50万円~150万円程度
・大規模改修(下地補修を含む):100万円~300万円程度
陸屋根は、屋上部分が平らになっている屋根のことで、ビルやマンション、一部の住宅などで多く見られます。
陸屋根は構造上、水が溜まりやすく、防水層の劣化や排水口の詰まりなどが原因で雨漏りしやすいのが特徴です。
修理費用は、防水工事の種類や範囲、劣化の程度によって変動します。
部分的な補修であれば数十万円で済む場合もありますが、防水層全体の改修が必要となると、100万円を超える費用がかかるケースも珍しくありません。
排水口の補修や交換が必要な場合は、数万円から十数万円の費用がかかります。
外壁
外壁の雨漏り修理の一般的な費用相場は、以下のとおりです。
・部分補修(ひび割れの補修、コーキングの増し打ちなど):数万円~20万円程度
・コーキングの打ち替え:10万円~50万円程度
・外壁塗装:50万円~180万円程度(30坪の場合)
・外壁材の張り替え(一部または全面):100万円~280万円程度(30坪の場合)
外壁は雨風や紫外線に常にさらされているため、ひび割れやコーキングの劣化などが原因で雨漏りが発生しやすい箇所です。
外壁の雨漏り修理費用は、ひび割れの程度、コーキングの劣化状況、外壁材の種類、雨漏りの範囲によって異なります。
軽微なひび割れやコーキングの劣化であれば、部分的な補修で済み、数万円程度で修理できる場合が多いです。
ひび割れが広がっていたり、コーキングが完全に劣化して剥がれていたりする場合、広範囲の補修が必要となり、費用は数十万円から数百万円に達することもあります。
ベランダ・バルコニー
ベランダ・バルコニーの雨漏り修理費用の一般的な費用相場は、以下の通りです。
・排水溝の掃除、修理:2万円程度
・手すりの修理(コーキング剤、木材の取り換えなど):5〜15万円
・ベランダ床面の塗替え、防水シートの張り替え:15〜50万円
・外壁の修理(コーキング剤、ボードの張替えなど):5〜80万円
ベランダやバルコニーは、屋根がないため雨水が直接当たる場所であり、雨漏りが発生しやすい箇所の一つです。
ベランダ・バルコニーの雨漏り修理費用は、防水層の状態、排水口の状態、手すりや笠木の状態など、様々な要因によって変動します。
部分的な補修であれば数万円から十数万円程度が相場ですが、広範囲の防水工事や下地の補修が必要な場合は、数十万円から百万円を超える費用がかかることもあります。
また、手すりや笠木の劣化も雨漏りの原因となるため、これらの補修や交換も必要に応じて検討する必要があるでしょう。
ベランダ・バルコニーの雨漏りを放置すると、階下への漏水や建物内部の腐食につながる可能性があるため、早めの対応が重要です。
天窓・窓枠
天窓・窓枠の雨漏り修理費用の一般的な費用相場は、以下の通りです。
・コーキングの増し打ち・打ち替え:数万円~10万円程度
・パッキンの交換:2万円~5万円程度
・天窓本体の交換:15万円~30万円程度
・窓枠の交換:10万円~20万円程度
(足場が必要な場合は別途費用)
天窓は屋根に設置されているため、雨水が直接当たりやすく、経年劣化によるシーリングのひび割れやパッキンの劣化などが原因で雨漏りが発生しやすいです。
窓枠も同様に、シーリングの劣化や窓枠自体の歪みなどが原因で雨水が浸入する場合があります。
天窓・窓枠の雨漏り修理費用は、原因箇所や修理内容によって異なります。
シーリングの打ち直しだけであれば数万円で済む場合もありますが、パッキンの交換や窓枠自体の交換が必要になると、数十万円の費用がかかるケースもあるでしょう。
天窓や窓枠からの雨漏りを放置すると、壁内部や天井裏に雨水が浸入し、カビの発生や建材の腐食につながる可能性があります。
早めに専門業者に点検を依頼し、適切な修理を行うことが大切です。
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気になった方は、ぜひご利用ください。
雨漏り修理の費用を抑えるには相見積もりが必須
雨漏りの修理費用は業者によって異なるため、適正価格で質の高い工事を行うには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が非常に重要です。
複数業者の料金・実績を比較する
雨漏り修理には明確な定価がなく、業者によって費用に大きな差が出るケースも少なくありません。
そのため、一社だけの見積もりで契約してしまうと、相場よりも高い金額で契約してしまう可能性があります。
相見積もりを行えば、複数の業者の修理費用が比較でき、適正な価格で依頼できるようになります。
その際は、見積もりの内容をしっかりと確認し、工事内容や使用する材料・保証内容なども比較検討すると良いです。
ただし安すぎる見積もりは、手抜き工事や追加料金の請求など、後々トラブルに発展する可能性もあります。
雨漏り修理を検討する際は、必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討するようにしましょう。
雨漏りの原因調査で別途料金が発生する場合も
雨漏りの原因は、屋根、外壁、窓枠など多岐にわたり、目視だけでは特定が難しいケースも少なくありません。
業者によっては、原因を特定するための調査に別途料金を設定している場合があります。
調査費用は業者や調査方法によって異なり、数万円から十万円程度が相場となっています。
調査方法としては、散水調査、赤外線調査、ファイバースコープ調査などがあり、雨漏りの状況や建物の構造に合わせて適切な方法が選択されます。
見積もりを依頼する際には、この調査費用が含まれているのか、別途必要なのかを必ず確認するようにしましょう。
雨漏り修理の見積もり時に発生する調査費用
雨漏りの原因特定には、専門的な知識や技術、場合によっては特殊な機器が必要となり、前述したとおり見積もり段階で調査費用が発生することがあります。
ここでは、代表的な調査方法とその費用について解説します。
目視による調査
目視による調査は、雨漏り調査の最も基本的な方法であり、専門業者が最初に行う調査の一つです。
無料で実施している業者がほとんどで、雨漏りの痕跡や原因となりうる箇所を、人の目で確認していきます。
【確認箇所】
・屋根の瓦のズレやひび割れ
・外壁のひび割れやコーキングの劣化
・窓枠の隙間や歪み
・雨樋の詰まりや破損
など
上記以外にも、室内の天井や壁のシミ、カビの発生状況なども確認し、雨水の侵入経路を推測していきます。
散水調査
散水調査は、目視調査で雨漏りの可能性が高い箇所から実際に雨漏りするか確認する場合や、目視で原因が特定できない場合に行われます。費用は数千円から数万円程度が相場です。
散水調査では、実際に水をかけて雨漏りを再現し、雨水の侵入経路を特定します。
具体的には、屋根や外壁、窓枠などにホースや散水器具を使って水をかけ、室内に水が浸入してくるかどうかを確認します。
散水調査のメリットは、目視では確認できない微細な隙間やひび割れからも水が浸入する状況を可視化できることです。
また、雨漏りの発生箇所と原因箇所が必ずしも一致するとは限らないため、散水調査によって雨水の侵入経路を正確に特定できます。
紫外線投射発光調査
紫外線投射発光調査は、特殊な検査液と紫外線照射器を用いて雨漏りの原因を特定する調査方法です。費用は数万円から数十万円程度が相場です。
調査方法は、まず雨漏りの疑われる箇所や雨水の侵入経路となりそうな箇所にこの検査液を塗布または散布します。
その後、紫外線照射器を用いて紫外線を照射すると、検査液が発光し、その発光箇所を追跡することで雨水の浸入経路を特定できます。
紫外線投射発光調査は専門的な知識と技術が必要となるため、認定を受けた業者や、実績のある専門業者の選定が重要です。
費用は他の調査方法に比べて高くなる傾向がありますが、原因特定の精度は非常に高く、結果的に適切な修理につながり、無駄な費用を抑えられる可能性もあります。
赤外線サーモグラフィー調査
赤外線サーモグラフィー調査は、赤外線カメラを用いて建物の表面温度を測定し、雨漏りの原因を特定する高度な調査方法です。
費用は数万円から数十万円程度が相場です。
この調査では、建物から放射される赤外線を検知し、温度差を色で表現した画像(サーモグラフィー)を作成します。
浸水している箇所は周囲よりも温度が低くなる傾向があり、サーモグラフィー画像上で色の変化として捉えられるため、雨漏りの原因が正確に特定できます。
赤外線サーモグラフィー調査のメリットは、建物を傷つけることなく非破壊で調査できる点です。
従来の調査方法では壁を剥がしたり、屋根を部分的に解体したりする必要がある場合がありましたが、赤外線サーモグラフィー調査ではそのような作業は不要です。
また、広範囲を一度に調査できるため、効率的に雨漏りの原因を特定できます。
専門的な知識と経験が必要となる調査のため、依頼する際には実績のある専門業者を選ぶようにしましょう。
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信頼できる雨漏り修理業者の選び方
雨漏り修理は、住まいの大切な部分を扱う工事であり、信頼できる業者選びが非常に重要です。
適切な業者を選ばないと、不十分な修理で再び雨漏りが発生したり、高額な費用を請求されたりする可能性があります。
信頼できる雨漏り修理業者を選ぶには、以下の5つのポイントを抑えておくと良いでしょう。
・実績と経験が豊富な業者を選ぶ
・見積もりを複数社から取る
・資格や許可を持っている業者を選ぶ
・保証やアフターフォローが充実しているか
・地域密着型の業者を選ぶ
上記に加えて、担当者の対応も重要な判断基準です。
質問に対して丁寧に説明してくれるか、こちらの要望をしっかりと聞いてくれるかなど、担当者の人柄や対応も業者選びの重要な要素となります。
雨漏り修理で使える保証・補助金制度
高額になりがちな雨漏りの修理費用ですが、場合によっては各種保証制度や補助金制度を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。
ここでは、雨漏り修理に適用される可能性のある保証制度や補助金制度を紹介します。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)
新築住宅の場合、契約不適合責任(瑕疵担保責任)が適用される場合があります。
契約不適合責とは、売買契約や請負契約において、引き渡された目的物が契約内容と適合しない場合に、売主や請負人が買主や注文者に対して負う責任です。
引渡しから10年間、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分に瑕疵があった場合、無償で補修してもらえます。
雨漏り修理のケースだと、修理業者が契約内容と異なる施工を行った場合や、本来直すべき箇所が直っていない場合などに、この責任が問われる可能性が高いです。
ただし、業者の責任が認められるには、業者に故意または過失があることが要件となる場合もあります。
契約不適合責任を適用する際は、契約書の内容や施工状況をしっかりと確認し、不具合があれば早めに業者へ問い合わせましょう。
火災保険
火災保険は、火災だけでなく台風・ひょう・積雪などの自然災害によって建物に損害が発生した場合にも補償される保険です。
雨漏りの場合、その原因がこれらの自然災害によるものであれば、火災保険の適用対象となる可能性があります。
台風で屋根瓦が飛んで雨漏りが発生した場合や、強風で窓ガラスが割れて雨水が浸入した場合などが該当します。
ただし、経年劣化や施工不良による雨漏りは、火災保険の補償対象外となります。
屋根の老朽化によるひび割れから雨水が浸入した場合や、以前に行った屋根工事の不備が原因で雨漏りが発生した場合などは、保険金が支払われません。
火災保険の補償を適用する際は自己判断せず、必ず事前に保険会社に連絡するようにしましょう。
耐震改修補助金
耐震改修補助金は、地震による建物の倒壊を防ぎ、人命を守ることを目的として、地方自治体などが実施している制度です。
雨漏りが原因で建物の構造部分が劣化し、耐震性が低下している場合、その改修工事と併せて耐震改修を行えば、この補助金を利用できる可能性が高いです。
ただし、補助を受けるには以下の条件を満たさなければなりません。
・対象となる建物が一定の築年数を経過している
・耐震診断の結果、一定の耐震性能を満たしていないと判断される
耐震改修と雨漏り修理を同時に行えば、住まいの安全性を高めるとともに、補助金を活用して費用負担を軽減できる可能性があります。
上記の条件に該当し、雨漏りの修繕を検討されている方は、必要に応じて自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。
地方公共団体の住宅リフォーム補助金
地方公共団体(市区町村)は、地域住民の住環境向上を目的として、様々な住宅リフォーム補助金制度を設けています。
雨漏り修理を含む住宅の改修工事に対して適用される可能性があり、費用負担を軽減する上で非常に有効です。
補助金の対象となる工事内容や補助金額、申請条件などは各自治体によって異なり、一例として下記の事例が挙げられます。
・省エネルギー化を目的とした断熱改修工事
・バリアフリー化を目的とした手すりの設置工事
上記以外でも、雨漏り修理自体が直接的な補助対象となる場合もあります。
雨漏りが原因で建物の耐久性や安全性に影響が出ている場合、その改修工事は補助の対象として認められやすい傾向です。
雨漏り修理を検討されている方は、お住まいの自治体の補助金制度を積極的に活用し、賢く修理を進めていきましょう。
まとめ
雨漏りは放置すると建物の構造を腐食させ、大規模な改修工事が必要になるだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあります。
もし雨漏りが発生してしまった場合は、まず原因を特定し、適切な修理業者へのご依頼がおすすめです。
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