【外壁塗装の豆知識】ペンキと塗料の違いとは
投稿日:2023.9.2更新日:2023.10.12
外壁塗装をするときにペンキで塗れば十分ではないかと思った人もいるでしょう。
しかし、外壁塗装を業者に依頼すると、ペンキではなく塗料を使用するのが一般的です。
塗料のラインナップから選んで施工を依頼するという流れになりますが、ペンキを使ってもらいたいと思う人もいるかもしれません。
そもそもペンキと塗料では何が違うのかを知っているでしょうか。
この記事ではペンキと塗料の違いを踏まえて、外壁塗装で塗料を使うべき理由も解説します。
ペンキと塗料は何が違うのか
ペンキと塗料はどちらも色を付けるものであって、特に違いはないと思われがちです。
確かに外壁塗装をするときにペンキを塗っても、塗料を塗っても施工完了直後は同じような仕上がりになります。
しかし、ペンキと塗料は意味が違うので注意が必要です。
まずはペンキと塗料の意味の違いを確認しておきましょう。
ペンキの意味
ペンキは植物性の揮発性油脂をベースとして製造されていて、色を付けることを最大の目的としています。
ペンキはオイルペイントや合成樹脂調合ペイントとも呼ばれていて、使用時には植物油脂を使用して希釈してから塗っています。
ペンキは英語のpaintに由来しているとも言われていますが、正確な語源は定かではありません。
色を出すための顔料成分を植物油脂を使って伸ばせるようにして、均一に濡れるようにしているのがペンキの特徴です。
塗料の意味
塗料は塗ることによって何らかの効果をもたらすために設計されている材料です。
塗れるように液体として製造されているのが一般的で、顔料が含まれていればペンキと同じように色を付けられます。
塗料には揮発性のある溶剤を使用していて、塗った後に成分が定着することによって機能が発揮されます。
塗料は色付けの目的で使用されることもありますが、塗る対象を保護したり、希望する機能を付与したりする目的でも用いられるのが特徴です。
ペンキと塗料の大きな違い4つ
ペンキと塗料では具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは使用目的、成分、機能性、費用という4つの観点から違いを解説します。
①使用目的
ペンキと塗料では使用目的が異なります。
ペンキは色を付けるための材料で、壁や床などを特定の色で塗りたいときに使用します。
刷毛などを使用して絵を描くことも可能です。
ペンキを使って壁に文字を書いたり、企業ロゴを描いたりすることもできます。
一方、塗料は全体を保護したり、機能を付与したりすることが目的です。
外壁塗装では外壁に水分が浸透しないように塗膜を作って保護することが特に重要になります。
さらに塗料に断熱性や遮熱性、抗菌性などの機能を持たせていることも多くなりました。
塗料で文字やイラストを描くことは基本的にはありません。
対象全体を均一に塗装することで必要な機能を実現することを目的として塗料を使用します。
②成分
ペンキと塗料では成分が異なります。
ペンキに含まれている成分は顔料や合成樹脂と植物油脂です。
色を出すために必要な色素成分と、液状にして濡れるようにするための成分、色素成分を定着させるために必要な合成樹脂などを組み合わせて作られています。
一方、塗料の場合には顔料と合成樹脂に添加剤を加えています。
機能を付与したり、塗料の定着性を向上させたりするための成分調整をしているのが特徴です。
塗料の種類によっては透明で色が付いていないことすらあります。
ペンキは必ず色が付いていますが、塗料の場合には塗る先の素材の色を生かすために透明にしていることもあるのが違いです。
③機能性
機能性はペンキと塗料の大きな違いです。
ペンキは色を付ける機能に特化しています。
そのため、着色させるために使用する色素にはこだわりを持って製造されていることが多くなっています。
一方、塗料は総合的な機能性を重視して作られているのが一般的です。
発色の良さだけでなく、耐候性や耐熱性、遮熱性や断熱性なども考慮して設計されています。
近年では機能性塗料の開発が活発に進められていて、ペンキと塗料の差が大きくなってきています。
④費用
費用では同じ面積を塗れるペンキと塗料ではペンキの方が安くなる場合がほとんどです。
色素として有効な成分を揮発性植物油脂で伸ばしたペンキに対して、機能性を付与するための成分を加えて作り上げられている塗料の方が高くなるのは明らかでしょう。
さらに塗料は塗装をするときの施工性も加味して設計されていることが多く、付加価値が高い製品です。
費用面では塗料の方がペンキよりも高くなります。
外壁塗装でペンキを使ってはならない理由3つ
外壁塗装をするときにはペンキと塗料でペンキが安いなら、塗料を使わなくても良いと思う人も多いでしょう。
しかし、外壁塗装をするときにペンキを使ってはなりません。
ここではペンキで外壁塗装をしてはならない理由を解説します。
①ペンキでは外壁を保護できないから
ペンキは色を付ける意味しか持たないのが最大の理由です。
外壁塗装をする目的として最も重要なのは外壁を保護することです。
塗膜を形成させて数年~十数年にわたって外壁を保護し、建物や外壁の寿命を延ばすことが塗料の果たす役割になっています
しかし、ペンキは色を付けることが役割なので、外壁を保護する機能はほぼありません。
寿命も長くはないため、外壁を保護する目的には適していない素材です。
②塗料と違って機能性を付与できないから
塗料は外壁を保護するための撥水性などの基本的な機能性を持っています。
ペンキには多少の機能がある場合もありますが、もともと機能を持たせる目的で設計されていないので、塗料に比べると機能性が低いことは否めません。
また、遮熱性や断熱性などの機能を持たせることもできません。
近年では塗料では遮熱塗料や断熱塗料などの機能性が高くて住環境を改善できる塗料も多数登場しています。
このような機能性の恩恵を受けられないはペンキを使用するデメリットです。
③ペンキは性質的にも課題が多いから
ペンキはまったく保護性能がないわけではありませんが、性能的には塗料に劣ります。
さらにペンキは塗料と比較すると性質的に劣る部分が多くて課題があるのが問題です。
例えば、ペンキは植物性の油脂を溶剤として用いるため揮発性が低く、乾くまでに時間がかかります。
乾かないうちに雨で濡れたり、砂埃などが付着したりすると品質が低下します。
また、安いことを重視してペンキを選ぶと、直射日光に弱くてすぐに変色や退色を起こしてしまう場合もあるなど、さまざまな問題を抱えているのが実情です。
トータルで見るとペンキによる塗装はコストパフォーマンスが悪いのでおすすめできません。
ペンキと塗料の違いを押さえて外壁塗装を依頼しよう
ペンキと塗料の違いを理解してから外壁塗装を依頼することは重要です。
ペンキと塗装が同じものだと思っているとトラブルが起こり得るからです。
それぞれの違いを知って、塗料を選ぶべきと知っておくべき理由を確認しておきましょう。
外壁塗装業者がペンキを提案する可能性はゼロではないから
外壁塗装業者に施工費用を安くして欲しいと言ったときに、ペンキを使うことを提案する悪徳業者もいないわけではありません。
施工が完了した時点で希望していた色で塗られていれば、きちんと塗装できたと思ってしまうでしょう。
このようなやり方で安い見積もりを出して塗装する業者もいる可能性は今でもあり得るので塗料とペンキを区別して選べることが重要です。
塗料の中でも目的に合うものを選ぶことが重要だから
塗料を使用する目的は色だけではないとわかると、機能性を考えて目的に合う塗料を選べるようになる点でもペンキとの違いを理解することは大切です。
より良い住環境にするための機能性塗料は増えてきています。
外壁塗装をするときに比較して決めようというアイディアが生まれるので、ペンキとは違うことを念頭に置いておくことがおすすめです。
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